QR決済の導入メリットがある事業者の一つに、タクシーがあげられます。
2020年の東京オリンピックに向けて、外国人観光客がスムーズに利用でき、かつ日本を気軽に自由に回ることが出来るタクシーは、インバウンド需要の上昇に伴い外国語対応やキャッシュレス対応に迫られています。
帝都自動車は都内タクシー1057台にQRコード決済対応を行いました。
私個人的にも、タクシー業界でのQR決済導入は、いくつか大きなメリットがあると思っています。
今後伸びるかもしれないタクシーのQR決済、果たして普及はしていくのでしょうか?
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キャッシュレス支払いによるメリット
タクシーは、現金よりもキャッシュレスメリットが非常に高い業種です。
理由は防犯性や安全性です。
密室の中で二人きりになるタクシー。実際にナイフで脅して現金をうばう「タクシー強盗」の出現が後を立ちません。
タクシーの場合、基本的には道端でタイミングが合った方を拾う「流しタクシー」が中心のため、お客を選ぶことが出来ないんですよね。
乗車客が選べず、どんな人が乗ってくるかすらわからないタクシーで現金を管理することはちょっとした恐怖でしょう。
いくら売上が上がったところで、お金を奪われてしまっては何の意味もありません。
密室の中でカツアゲされたら、あまりの怖さについ支払ってしまいそうですよね。
以上の理由から、タクシー業界はキャッシュレス決済のメリットが非常に高いと考えられています。
クレジットカードはデメリットが多い。
「ちょっと待って!現金車内で持ちたくないならクレジットカード払いで良いし、わざわざQR決済を利用する必要なくない?」
そう思ったあなたのご意見はおっしゃるとおりです。
しかし、実はタクシー運転手にとってクレジットカード支払いというのは嫌悪を抱く方が多いのが実情です。
クレジットカードは、消費者として利用する分にはお金は一切かかりません。わざわざ手持ちの現金を数えて支払う必要もなく、サイン一つで決済が出来るためクレジットカードのメリットは大きいように見えますが、
その一方でクレジットカードの利用料は事業者が大きく負担をしています。
しかも、タクシー運転手という仕事は、基本的に独立採算制でして、タクシー運転手の給与テーブルは基本給+売上の○%というテーブルがほとんどです。
そして、クレジットカードの手数料等は「運転手が支払う、もしくは会社と折半」というのが一般的な考え方です。
そのため、なるべくタクシー運転手は現金での支払いを受けたい。そうすればそのお金を回すことだって出来ますからね。
手数料が大きな武器となる?
クレジットカードでの決済手数料は3%前後が基本という現状にとって、「QR決済」のメリットはなんでしょうか?
もちろん、より「安い手数料で利用出来るキャッシュレス決済」というポジションを目指すべきです。
QR決済は現在日本市場で推進を積極的に行っており、手数料0%という事業者まで出てくる始末。
そのためLINEPAY等の利用でも、相当な売上差が生まれるでしょうし、PayPayに至ってはQR決済で支払った料金の一部をキャッシュバックするキャンペーンをやり続ける始末です。
この手数料の小ささはタクシー事業者にとってとてつもないメリットです。
冒頭ご紹介した帝都自動車のQR決済対応は、Origami Pay、Alipay、WechatPayの3つを対応させているということで、あくまで「インバウンド対応」の一貫として行われています。
そのため、日本人が使うメリットはまだまだ小さい模様。
是非、タクシー運転手の手数料が減り、事業者も消費者も双方幸せになれる。そんな決済手法が出てきたら良いなぁと思いますね。
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